ニューファーマー
昨日は神奈川県主宰の畑の見学会が我が家でありました。
夏の草取り、稲刈り、大豆の刈り取りなどでまだ畑の野菜までてが回ってるとは言えませんが、参加者に見て頂きました。懐かしい顔の生産者や、新規就農者がいらっしゃいました。みな、新規就農者ニューファーマーです。
昨日は出荷作業を見学会前に終わらせるために忙しくしていました。ふと新聞紙で野菜を包もうとしたら、20年前に農業研修でお世話になった田下さんの写真です。20年前に私も農業の世界に飛び込んだのですが、最初にお世話なったのが田下さんでした。あれから20年です。 白髪交じりになり、子供も二人出来ました。
小さい頃におばあちゃんに連れられて里芋の草取りを炎天下の中にやって小さいながら農業は絶対やらないぞと思いましたが、人生は分かりません。
ニューファーマーの顔を見ると若さを感じて私の就農当時を思いながら見学会後の意見交換会を過ごしました。18年前に農業を始めましたが、、今とは違い新規就農者に給付金もなければ、スマホやSNSもありません。
若さとガッツだけで何とかなるさと思って、伊勢原駅と愛甲石田駅の間の田んぼを全て有機栽培に変えるぞと意気込んでいました。
資金は歌舞伎町のバッティングセンターのアルバイトで時々ヤクザに絡まれたりして貯めた100万円。そして妻のOL時代の貯金。
農家になると言っても卒論も書き終えていない学生がいきなり農地なんて借りれません。普通は農家の認定を行政から受けなくてはいけません。平塚の行政センターに当時は農家の認定を認めてくれる部署があって、その方に連絡を取りお話をしました。今とは違って有機農業なんて変り者のやる事で、認めてくれる事はありませんでした。
とりあえず、家に帰り、どうしようか考えましたが、畑がなくては農業は始まりません。妻とは結婚するのに無職という訳にはいきません。そこでチラシを撒いて空いている田畑を直接借りる作戦に出ました。私の父は恥ずかしいからやめろって言いましたが、もう撒いてしまった後です。そしたら、結構やってくれって話はありました。中には養子になって農家をついでくれなんて話もありました。また、農家のアルバイトをさせてくれる所もありました。
それから間もなく、田植えの時期が始まって我が家も田植えが始まる訳ですが、田植え機がないから手で植え始めました。初年度は3500平米を植える予定でした。まだ作物がほとんど取れてなくて朝2時から弁当屋さんのバイトに行って毎日1トン近くの米を炊いて7時に家に帰り、そこから畑に出るというハードな日々です。田植えしてる途中で妻と喧嘩になって妻はいきなり新潟の実家に帰ってしまっていきなり一人農業。そんな、私をみかねて近所の農家が田植え機で田植えをしてくれたり、農大の後輩が手植えを手伝ってくれたり。一年目はそんな感じです。稲刈りは父が手伝ってくれたり。私の父は小学生の私とキャッチボールを2回したしてくれなかったけど。
お金がなくて、クレジットカードも持っていなかったから財布にあった1000円で軽トラにガソリンを入れて財布に金がなくなった時は夫婦で、苦笑い。新米は人様に売って、くず米と言う家畜のエサになる米を食べてる時もあって、食べると砂が混じってて。
ニューファーマーってみんな大変。一部の成功者などきれいごとばっかのマスコミや消費者など。でもニューファーマーには未来や希望があって挫折もあるけれど、ニューファーマーがこるからはやらなくてはならないんだよね。
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